研究

■フィールド風車を用いた最適運転制御の開発

風車は常に変動している自然の風の中で運転されます.そのため,風車の発電出力も変動し,また,風車に疲労荷重が発生します.フィールド風車の研究では,風車周囲に設置された風計測装置により,風速と風向を測定するとともに,風車が発生する発電量や風車に作用する荷重を測定し,風特性と風車性能との関係を研究しています.現在は,風車前方の風を超音波風向風速計などによって事前に検知し,風が風車に到達するタイミングに合わせて,風車を最適運転できる予測制御の実現を目指しています.


■水平軸風車の流れ解析

風車は風からエネルギーを抽出して電気へ変換します.そのため,風車の高効率化のためには,風車を通過する風の流れと風車性能の関係を調べる必要があります.水平軸風車の研究では,大型風洞内でスケールモデルの風車を運転し,空気力学的現象の解明を行っています.風車周りの流れの測定にはレーザ・ドップラ流速計を,回転中の翼面上圧力の測定には高速多点圧力計測装置を,そして風車全体に作用する荷重の測定には床置き六分力天秤を用いています.これらの測定により,風車の空気力学的現象を解明し,高効率な風車の開発を目指しています.


■垂直軸風車の性能と荷重の解析

鉛直軸周りに回転する垂直軸風車は,風向に関係なく運転でき,低騒音であるため,都市型の風車として注目されています.一方,垂直軸風車の空気力学は複雑であるため,設計方法が確立されていません.垂直軸風車の研究では,風洞実験やフィールド実験,数値解析により,垂直軸風車の出力や荷重の測定と流れ解析を行い,高効率で信頼性の高い垂直軸風車の開発と垂直軸風車の設計方法の確立を目指しています.


■翼型に作用する荷重と流れの解析

風車が風からエネルギーを抽出するとき,最も重要な部品は翼です.風車の翼断面は流線形をしており,その形状により風車性能が大きく影響されるからです.翼型の研究では,風車に適した翼型の開発や,翼に着氷等の付着物が付いたときの空気力学的特性の変化を,風洞実験や数値解析を用いて調べています.これらの研究により,風車の高効率化や最適運転方法の構築を目指しています.


■ウィンドファーム内の風車の性能評価

多くの風車を一か所に集合的に配置するウィンドファームでは,風上側にある風車を通過した風が,風下側にある風車に流入します.これにより,風下側の風車の出力が低下したり,疲労が増加します.ウィンドファームの研究では,風車が設置されている地形や風車の後流が下流側の風車の発電量に及ぼす影響について解析し,ウィンドファーム内の風車の最適配置やウィンドファーム内の風車の運転制御方法を研究しています.


国立大学法人 三重大学
大学院工学研究科 機械工学専攻 エネルギー環境工学研究室

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